ジョギングを始めてある程度走れるようになった方が、よく間違えた場所に立ち返っている瞬間を目にすることがあります。陥りがちな「勘違い」は、モチベーションの低下や無理につながるので注意が必要ですよ。
成長を振り返る
これまでにジョギングをしたことがない
本格的に走るなんて学校のかけっこ以来
という生徒さんもたくさんおられます。
まっすぐ立つところからスタートして正しい姿勢やフォームを習得しながら、少しずつ走れるようになっていくのを見るのが私の楽しみでもあり、ジョギングインストラクターとして指導するものとしての喜び・醍醐味です。
それはそれでいいのですが、ある程度”ジョギング”が出来るようになってくると原点を忘れる方が多いことに気付きました。
自分を評価する
多くのランナーは、ある程度走れるようになると目標を持ち始めます。30分走れるようになると、5km、10kmのレースなどに出走してみたいと思うことも自然の流れでしょう。
まだこの時点では、初レースという緊張感や未知の世界への不安のほうが大きい時期ではありますが・・・
でも、その目標に向けて頑張る中で、思うように走れなかったり、タイムが上がらなかったり、いろいろと「壁」に当たるのです。
その瞬間に「勘違い」に支配されてしまうようです。
自分はここまでの実力しかないんじゃないか?
調子に乗って走れると思ってたけど甘かった
ここ数ヶ月、全然走力が上がらない
などと負のスパイラルに陥ることがあるようです。
何が原因なのでしょうか?
「勘違い」の犯人は?
そういう状況になって落ち込んでたり、悩んでいる人に次のように声をかけると少しラクになる人が多いようです。
「○○さん、どの時点と今を比べてるんですか?」
「1ヶ月前と比べるのではなく、教室に初めて来たときのことを思い出してください」
「そのとき走れましたか?」
こう聞くと、「ハッ!」と我に返るように気付く方が多いです。
「最近伸び悩んでいて、もうこれ以上走れないのかと不安でした」
「でも、よく考えたら全然走ったこともなかったのに、今は10kmのタイムが伸びないと悩んでますね」
「そうでしょう?1ヶ月前の○○さんと比較することもとても大事です。でも、それはこの1ヶ月の練習の成果を確認しているに過ぎないんですよ」
「初めて教室に来たときに比べてみると、すごく走れるようになってることに気付きませんか?」
このように話していくと
「確かにそうですね」と笑顔が出てきて安心するのです。
比較し立ち戻るポイントがずれてしまっているだけなのです。
原点の場所を間違えない
振り返るべきポイントはあくまでも「原点」つまり
走ろうと思ったとき
であると感じています。
でも、多くの方は直近の自分と比較してしまうのです。
それでも記録が伸びたり、成長を感じられているうちはいいでしょう。でも故障したり、思うような結果が出ないときはそれではダメなのです。
自分の成長を振り返るべき「原点」を間違えてはいけません。
モチベーションを維持する
人間はいろんなことが出来ないときは出来ることに憧れますが、いろんなことが出来るようになると出来ることの中に優劣をつけていく習性があるのだと感じています。
少なくとも成長している自分を褒めてあげる機会を意図的に作ることは意味のあることだと思います。誰でも否定されるよりも認めてもらいたい欲求を持っているはずです。
ランニングはある意味、孤独な競技スタイルであり自分で自分を認めてあげなければいけない側面を持ち合わせています。
よし、走ってみよう!
そこがあなたにとってのランニングの「原点」なのです。
出来ないと思っていたことを、気付いたらどんどんクリアしている自分を今日くらいは褒めてあげませんか?
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