ベアフットランニング(裸足もしくはベアフットシューズで走る)は足の自然な動きを導き、負傷リスクを減らす可能性が期待できる。また、効率良い身体の使い方が身につくだけでなく、コストや環境においてもエコを実現する。
1. 自然な足の動きを再履修
人間は、靴を履いて産まれこないように元々人類のデフォルトのカタチは裸足である。日常的に靴を履くことが当たり前になり、人間本来の足の動きが阻害された結果、いろんな障害が出てきたのは周知の事実である。
現在、ランナー特有の故障もNIKEがランニングシューズを開発して以降に出現したものという。裸足もしくはベアフットシューズを用いたベアフットランニングは足の自然な動きを促進し、足の筋肉や腱の自然な強化を促す。
2. 足裏感覚の復活
特にランニングシューズには、着地時の衝撃を吸収緩和するためにクッションや衝撃吸収テクノロジーが搭載されている。そのことにより、どんな走り方をしてもとりあえず走れるわけだが正しい着地を阻害してしまっているという無視できないデメリットもある。
ベアフットランニングでは地面の感触が直接伝わるため、シューズにより伝わっていなかった様々な刺激がダイレクトに伝わり、眠っていた足裏のセンサーが活性化する。足ツボマッサージが気持ちいいように、足裏は60くらいツボがあると言われセンサーの塊である。
3. 負傷リスクの低減
ランニングシューズを履くと足から足首の自然な動きが制限され、結果的に踵着地が誘導される。踵着地は足腰に対して最も衝撃が強い着地方法である。ベアフットランニングはフラット着地やフォアフット着地を誘導することにより、膝や腰への衝撃を減少させる可能性があります。
論より証拠。
裸足で走ってみるとすぐ解る。意識しなくても踵着地を身体が避ける。すなわち、ランニングシューズのクッションや衝撃吸収がなければ踵着地なんてできないほど負担が大きいのである。また人間本来の着地方法でない証明でもある。
4. 効率的な走り
上述した通り、着地方法によって身体への負担は変化する。より省エネに走るには踵からの着地はNGだ。ベアフットランニングにより人間本来の走り方を習得することで、負担の少ないナチュラルな走りが可能となり効率的な走りを促進する。
自身の教室における指導でも、実際に裸足やサンダルで走った方が理論で指導するよりも習得が早い。裸足がデフォルトである以上、基本的に違和感はなくベアフットランニングは心地よいはずである。裸足で走れる場所が限られるのがネックな世の中だが…。
5. コスト削減
昨今はランニングシューズも効果なものになっている。久しく購入してないので相場はわからないが、2万円前後の高価なランニングシューズが多い印象がある。ベアフットランニングでは、裸足であればもちろん無料、ベアフットシューズはランニングシューズより安い感じか?サンダルであればもっと安く手に入れることができる。
大会のエントリーフィーも上がり続ける財布に厳しいマラソンの世界。ベアフットランニングにはそのような経済的な利点もある。もちろん、故障も減るので医療費の節減にも繋がる。その分、他のグッズや趣味にお金を投入できる余力が出てくる。
6. 体温調節の改善
足が直接空気に触れることで体温の調節がより効果的に行われ、特に暑い日において熱がこもりにくい。当然、蒸れないのでマメの発生なども基本的にはない。また、フルマラソン走ると爪が真っ黒になったり剥げたりする経験がある方は多いと思うが、ベアフットランニングでは無縁である。
ただし、剥き出しの状態なので怪我のリスクは上昇する。しかしながら、これまで直接裸足に起因する怪我の経験はない。時期によっては、乾燥による足のひび割れなどに馬油やワセリンでのこまめな保湿は必要だ。
7. 環境への配慮
シューズの製造や廃棄に伴う環境への影響を減らすので、エコフレンドリーな選択肢でもある。サステナブルが叫ばれる世の中にあっては、ベアフットランニングのベネフィットと言えるだろう。
まとめ
ベアフットランニングを実践することで、得られるメリットを7つ紹介した。他にもあるかもしれないがとりあえず現時点で思いつくものだ。
現在では、ベアフットランニングは少数派であるが、間違いなく正しい身体の使い方であり、ランニングシューズを履いた挙動がおかしいのだと自信を持って言える。
少しでも、そこに気付く方が増えて本来の人間お動きを再履修できるよう、微力ながら今後も啓蒙していこうと思う。
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