故障なくラクに走りたいならランシューを脱ぎなさい!?という記事を書いた。ベチュランやワラーチでのランニングの快適性からのフィーリングによる考察だが、もう少し深く掘り下げて考えてみようと思う。
ランニングシューズを履くから故障する!?
もちろん、ランニングシューズを履いていても故障しないランナーもたくさんいるし、直接の原因ではないことも多い。
故障の原因は、シューズだけでなくフォームの乱れや筋力不足、オーバーワークなど様々な原因があるからだ。
ただ、ひとつ言えるのはランニングシューズの高機能さが故障を生む原因となっている可能性も考えられるということだ。
つま先側よりもかかと部分が厚くなっているランニングシューズが多いと思うが、これによりかかと着地になりやすいとされている。
かかとから着地すると、その着地衝撃は足首、ヒザ、股関節、腰の順にダイレクトに伝わっていく。
よく言われるように、着地衝撃が一番大きいのがかかと着地であり、足腰へのダメージも比例して最も大きくなる。
それを助長する一因がランニングシューズの構造にも内在しているということだ。
ベアフットランではどう違う?
対して、ベチュラン、ワラーチ、裸足ランなどのベアフットランでは、かかと着地の衝撃に耐えられず自然に身体が拒絶する。
その結果、足指の付け根付近で着地するようになり、ふくらはぎの筋肉が力を分散させることで着地衝撃も少なくなることが科学的にも実証されている。
つまり、かかと着地に比べると膝や腰などに伝わる衝撃が少なくなり、必然的に故障することも少なくなるという理論だ。
もちろん、ベアフットランに慣れるまで足の中足部に負担がかかるので同部位の痛みや疲労骨折など、ベアフットラン特有の故障には注意しないといけない。
ただし、それもベアフットランの走り方に筋力や骨の強度が慣れるまでの間の問題である。
シューズの重さも関係ある!?
ランニングシューズは、おおよそ300g前後くらいのモデルが多いのでないだろうか?
スポーツ店などに行くとこれから走るなら、クッションのしっかりある厚底シューズがいいですよと勧められることも多いだろう。
着地動作をひたすら繰り返すランニングでは、シューズの重量により足さばきにも乱れが生じるのではないかと思う。
ほとんど何も履いてない裸足感覚で走るのと、足に重りをつけて走るのではフルマラソンで3万回とも言われる着地回数の中では、疲労や意識低下で着地ポイントがずれてくることもあるのではないだろうか?
僅かな乱れも3万回繰り返せば相当なものだろうし、日常の練習の蓄積でも同じことが言えるだろう。
対するベチュラエナジーは70g、ワラーチも100g前後と圧倒的に軽い。この軽さが、足さばきを邪魔せず本来の走り方をキープしやすくしてくれるのではないかというのが勝手な自論だ。
故障しているからこそベアフットランがいい?
自分自身のこれまでの経験やフィーリングベースで書いていることではあるが、ヒザ周りを故障しているランナーこそ、ベアフットランを試してみたらいいのではないかと思い始めている。
一般論としては、故障しているからこそしっかり保護できるランニングシューズを!となるのだろうが、上述した理論が正しければいつまでも治りにくいはずだ。
人間は生まれてくるときにシューズは履いていない。つまり本来は不要なものなのだ。
高機能なシューズにより、足を保護して守られている恩恵がある反面、もともと持って生まれた脚の機能を失っている部分も間違いなくある。
本来の機能を取り戻すことで、ヒザの負担を減らしていくというアプローチもあってしかるべきだと思うが、どちらかというと医療技術やテーピングなど対症療法をしているランナーが多い気がする。
同じことを繰り返したくない、ヒザの痛みから解放されて走りたいと願うのであれば、対症療法ではダメで根治療法をすべきなのである。
その意味で、あえてベアフットランを練習やリハビリの一部として取り入れることも大事なのかなと感じている。
もちろん、ベアフットランをしたら故障から解放されると断言できるものではなく、あくまでも自分だったらその可能性を試してみようと思う範疇での話だ。
実施にあたってもベアフットランの知識や練習方法をしっかり理解してやらないと、新たな故障を生み出す可能性もあるので注意が必要なのは言うまでもない。
ベアフットランにより変化してきたこと
今、2年以上ランニングシューズで走っていない。マラソンもウルトラマラソンも駅伝もすべてベチュランだ。
そして、現在ではワラーチを試しているがベチュランよりも心地いいフィーリングを得ている。不思議なものでベチュランを履くとすごく窮屈に感じるところも出てきた(笑)
これまでのベアフットランにより、足が強くなった実感は体感している。ウルトラマラソンはおろか、久しぶりの山登りでもほとんど筋肉痛がない。
先日は、何年ぶりだろうか?リレーマラソンの練習で久しぶりにどのくらい走れるのか?試してみた。
体重も相当増えてるので不安だったが、4分30秒/kmくらいのペースであっさりと2㎞近く走れてしまった。
練習をしっかりしているわけではないので、これらはベアフットランにより脚が強くなったということだろう。
もちろん、スクワットも継続してやっているので相乗効果が出てるのかもしれない。
ベアフットランの可能性
確証があるわけではないが、自身の経験から故障の多いランナーは一度ベアフットランに取り組んでみるのもいいのではないかと思う。
そろそろ、自分の脚が持つ本来の機能を再履修、再獲得して膝を守る。医療やシューズに頼るのではなく、自分の力に頼ってみる。
それにより、これまで悩ましかった故障と無縁になれる可能性もゼロではなく、なにより思う存分走り回れるのは楽しいことだと誰よりも感じているはずだ。
時には、常識の外側に答えが潜んでいることもあると考える。
*追記
私自身は職業柄もあり、効率良いランニングフォームを身につけている自負がある。
ウルトラマラソン走っても消化器症状には未だに苦しめられているものの、膝が痛くなったこと、膝を故障したことはない。
ランニングシューズでもサンダルでも故障したことがないことより、個人的には前提としてシューズ云々よりもランニングフォームが何より大事なのだと考えている。
しかしながら、原因不明の膝の故障から抜け出せない方にとっては、もしかしたらベアフットランが一筋の光明になりえるのではないかと思い、自身の経験値と様々な情報収集からこの記事を書いた。
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