北九州において誰もやっていなかった初心者向けのジョギング教室を開講して5年が経過した。ここで教室を様々な角度から分析するとともに、レッスンで得られている実績や効果についてまとめてみようと思う。
私とマラソンとの出会い
少年野球、中学の野球部以来、まともな運動から遠ざかっていたこともあり、自分自身が一番マラソンに縁遠い存在であると確信していた。
11年ほど前に遡るが、当時息子が通っていた陸上クラブで待ち時間にお父さんお母さんたちと歩いたりしているうちに、気づいたら少しずつ走るようになっていた。
そこから、どんどん走れるようになっていく自分の可能性にワクワクしながら、一気にマラソンの世界へのめり込んでいった。
怪我や故障もひと通り経験し、不安や期待が入り混じりながらもチャレンジし続けることが楽しかった。
11年経った今では、Tシャツ・短パンにビーサンという…
まるで風呂上がりに庭先に出てきた人みたいなスタイルでウルトラマラソンを走っているのだから人生わからない…💦
教室を開講するに至った経緯
リレーマラソンや5㎞レースを皮切りに、10㎞、ハーフと距離を延ばし、1年後には下関海響マラソンで初のフルマラソンにチャレンジ。
4時間10分で完走したものの、残り10kmくらいは歩き混じり。反省はあれどもそこに達成感や感動は得られなかった。
転機となったのは、「歩かず完走!」という目標を掲げて挑んだ3度目のフルマラソンとなる大阪マラソンだった。
ゴールが近づくにつれ目標を達成できる!という感動で気づいたら涙がとめどなく溢れてきていた。
その時の味わったことのない感動や達成感、そして何事もあきらめずにやり続けたら無理だと思うことも無理じゃなくなるんだという気付き。
自分の中ではフルマラソンを完走したということ以上に、3年間自分に向き合い自分と勝負してようやく勝てたような気がして、こんな気持ちになれるマラソンは素晴らしいと感じた。
大人になって何かにがむしゃらに取り組んだり、自分と対峙して成長したいと思ってもその場所を見つけられない人もいると思い、そのステージを提供できる場所としてジョギング教室を開講した。
大阪に通い、ジョギングインストラクターの資格を取得。初めて走る方や愛好家が生涯スポーツとしてのマラソンを安全に楽しめるように導くことを使命として教室をスタート。
*ジョギングインストラクターとは?
ラン×スマの専属トレーナーとしてもお馴染みの完走請負人 牧野 仁氏(JAPANマラソンクラブ元代表 著書も多数)が、その指導ノウハウをカリキュラム化して、全くの初心者から経験者まで指導できるよう体系化した実践プログラム。講座の履修・試験合格を経てジョギングインストラクターとして講師認定するものである。
教室の現状はいかに?
2014年4月にたったひとりの生徒さんとマンツーマンのような状態からスタートした。
2019年6月、執筆時点で在籍していただいている96名の生徒さんにを対象に分析する。
*今年3月からは、浅生スポーツセンターのマラソン教室の講師として12名の生徒さんを指導しており、生徒さんという括りでは108名となるが、開講から日が浅いため今回の分析には含めていない。
女性が、76.8%と8割近くを占めている
マラソンを始めるのは40代くらいが多いので妥当な結果と思える
初めて走ろうと思い教室のドアをたたく方は女性が多い。納得の相関!?
現在籍メンバーのうち、未経験で入会しフルマラソンにチャレンジした30名のデータ
制限時間6時間という市民マラソンとしては厳しい関門である北九州マラソン(教室から最も参加者が多いため)での未経験からのフルマラソンチャレンジについて、毎年データをとっているがおおよそ80~85%くらいの完走率なので同じ傾向がうかがえる。
現在籍メンバーのうち、未経験で入会しフルマラソンにチャレンジした30名のデータ
問題なし … 筋肉痛程度
故 障 … マラソン後に受診・治療を要したもの(腸脛靭帯炎×2、股関節痛×1)
腸脛靭帯炎については、スタート前から存在していたもの、股関節痛は未知の距離によるオーバーユースが原因と思われた。
自分自身の初フル後は、翌日普通に歩くこともままならなかったが、生徒さんの中には普通に走っている人も少なからず存在しており、きちんとフォームを習得すること=ダメージも少ないことが示唆される。
教室に通うことのメリットとは?
最大のメリットは、
安全にマラソンを走れるようになる!
データをまとめていても、これに尽きるのではないかと感じている。もちろん、我流でも走れるわけだが、生徒さんの故障が少ないことが最大のセールスポイントだなと改めて思う。
健康のためせっかく走り始めたのに、あちこち故障して病院や整骨院通いになってしまうのは本末転倒だし、走りたいときに自由に走れることが実はものすごく価値あることなのかもしれない。
私自身は100㎞以上のウルトラマラソンを走っても、故障もしないし最近では筋肉痛もあまり強いものは感じなくなってきた。
ヘビーウェイト級ランナーの私が、それを体現していることが教室で行っているレッスンが安全に走るためになる!という何よりの証拠だと思う。
また、私がアスリートではないことが幸いして?きつい練習はほとんど行わず、笑い声が絶えない楽しい雰囲気の中でレッスンできていることも、教室の魅力のひとつだと自負している。
あと、チームとして共に頑張る仲間ができることも個人競技的性質の強いマラソンにおいては、教室の大きな利点となるだろう。
今後も変わりなく目指すもの
当初、東京、大阪以外で大人向けのジョギング教室は成功しないと言われていたが、何とか継続できていることに感謝しきりだ。
ジョギングインストラクターとして履修したプログラム以外にも、自分で取得した資格スキルやネット上から役立ちそうなものは積極的に取り入れてブラッシュアップは欠かさず行っている。
縁あって出会った方々が、それぞれの目標をクリアするためのお手伝いは意義深く、達成感や感動を共有できることが、この仕事の魅力であり私の栄養源となっている。
これまでに私の教室から、健康ジョグが出来るようになった方を始め、UTMFや200km以上のウルトラマラソンを走るランナーまで幅広く輩出している。
自分が見たことのない世界へ追い越されていくことに悔しさは全く感じない。
ご本人の努力に心からの拍手と尊敬の念を持って応援している。
これからも走れるかどうか?不安を抱いて入会してくる皆さんが、少しでもスムーズに安全に楽しくマラソンにチャレンジできるようサポートしていこうと思う。
そして、チャレンジしたその先に新しい自分に出逢える世界が存在することを伝え続けたい。
コメント