ウルトラマラソンで100kmという距離は何度も走っているものの、初の110kmという距離・初のウルトラウォークにチャレンジしてみた。ウォークのほうがきついとよく聞くがその検証とともに振り返ってみよう。
やってみよう!
現在はウルトラマラソンをメインに据えてエントリー、練習を行っており、時々フルマラソンや駅伝などを仮装ランで楽ししんでいる。あとは仲間や教室の生徒さんの応援をするのが自分のスタイル。
2017年の目標は、これまでにやったことないことにチャレンジする!というものだ。
具体的には、オーバー100kmのウルトラマラソン、よりインパクトのある仮装ラン、そして今回初参戦となる100kmを越える距離のウォークイベントへの参加だ。
とにかく初体験によって、自己の見識や体験が増えていくことは大歓迎。そのためには、あれこれ言う前に「やってみよう」なのである。
糸島三都110キロウォークとは?
2017年の今大会で8回目を迎える大会であり、福岡の観光スポットとして有名な糸島を舞台に開催されている。
多くの観光スポットやおしゃれなカフェで人気を博する糸島で110kmもウォーキングするという。糸島ってそんなに広いの?と疑問が沸いてくる。
そうワンウエイコースではなく、55kmのコースをなんと
2周
するのである…。
他の一般的なウルトラウォークよりも長い110kmという距離に加えて、周回コースであるということから過去の大会における完歩率が50%を越えないというのは日本でも有数の難コースとも言えるだろう。(*今回の完歩率は約48%で過去最高とのこと)
並み居る100kmウォーカーでも尻込みしがちな難コースに、ウォークビギナーが初参戦したというわけだ。
未知の世界へ第一歩 いよいよスタート
1500名ものエントリーがあり、多くの健脚自慢のウォーカーで賑わっていた。今回は、教室の生徒さんであり現役自衛官である隊長と行動をともにすることになっている。
基本的に半日以上動き続けた経験がないので、最初からこっそりどっぷり頼りにしていた(笑)
そして、同じく教室の生徒さんでありウルトラ経験豊富なYちゃんも参戦。スタート前にお互いの検討を称えあい、ウォークは初めてなので見当がつかないものの24時間以内に完歩グループに混じりスタートした。
今回、教室のチームTシャツに加えて、チームユニフォームを作ったのでこの大会はお披露目の場となった。本当はレース翌日に届くはずが、嬉しい誤算(海外便です)で前日夜に届いたので…。
私デザインのオーダーメイドです!
教室からこんなヘンタイなレースに3名もっ!
マラソンと違い、のんびり歩いてスタートが心地よい。塗り忘れていた日焼け止めを塗りながら、長い旅への第1歩を踏み出した。
糸島110km 1周目 ①序盤は快調
日焼け止め脚に塗り忘れる…
正午12時(正確にはウエーブスタートにより10分後)にスタートして、110kmを歩く。今回は初のウォーキングであり、距離もコースも未知なため、一般的なスピードである5キロ/1時間を目標ペースとして設定。
計算どおりであれば、23時ごろ1周目が終わるはずだ。
天気もよくウォーキング日和で気持ちよく歩いていくと、早速サプライズ応援団登場!
移動応援ありがとう!マドは閉めとくようにw
差入れありがとうございます♬
マラソンランナーなので歩くこと自体は、特に問題ない。まだ序盤であり、余裕もあるので少しペースを早めに貯金を作ろうと隊長が少し早いペースでリードしてくれるのでついていく。
というかついていかないと、振り返りもせずガンガン進んで止まらないのでちょっと写真撮ってたり、油断しているとはるか先を歩いているのだ(笑)
こんな写真撮ってると隊長いなくなる(笑)
当然、ウォークのレースであり走るのは禁止。追いつくときは競歩のようなスタイルで結構エネルギーを使う。
糸島110km 1周目 ②雷雨に心折れかかるも…
まだまだ序盤であり余裕をかまして、、、
こんなことしたり
若い女の子たちが見守る中?はしゃぐアラフィフ1号
若い女の子たちが見守る中?はしゃぐアラフィフ2号
再び応援団に元気をもらったり
いろいろ助かりました!ありがとう♬
名所 二見ヶ浦の夫婦岩でも
アラフィフです…。
寝そうでしたw
ボラ&応援ありがとう♬いつもサプライズ登場(笑)
先は長い!と楽しみながら進んでいると徐々に雲行きが怪しくなってきた。
私は雨は降らないという晴れ男特有の根拠のない自信を持っていたが、隊長が雨が降ることを予知していた。さすがだ。
読みどおりに雨が降り出してきた。
キツ苦しいことしてるんだからせめて天気くらい味方してよ…
最初はすぐ止むか?ということで用意したポンチョも着なかったが、繰り返し降ったり止んだり…。なんだか空も真っ暗になってきてこりゃ降るな…とポンチョを着用。
その後は、一気に雷雨となりピカピカゴーゴー雨の降る中を歩き続ける。田舎道で非難できるような場所がなかったのもあるが、隊長はずぶぬれになりながら燃えてくる~!と言ってる。
雷鳴っているから危険。どこかで避難しませんか?といっても
大丈夫、大丈夫!自分なんか脚に雷落ちたことある!
と変な落雷自慢を聞かされながら休むことなくガンガン進む…。なんか怖かったけど、この人のメンタルすごいや~と感心しながら歩き続ける。
結局1時間以上、雷雨に晒され何とか無事にいられた。スタート直後に立ち寄った神社?で、スルーする人が多かった中、お賽銭入れて完歩祈願したのがよかったかな!?
一旦上がったものの、夜には再び大雨となりザックにしまったポンチョを再び被り歩くことに。天気が悪いとモチベーションも下がるけど、行くしかないのである。
糸島110km 1周目 ③予定より早くクリア
雨からカラダは守れたものの、シューズは中までずぶぬれ。のんびり休むわけにも行かないので自然乾燥を待つことにする。
夜になると少しずつエイドでも食料などが充実してきてありがたい。思った以上に店舗やコンビニが少なく、あるところには集中して何店舗もあるのに、ないところには徹底してトコトンないのである。
ぜんざい美味しかった♬
ついマラソンの思考になってしまい、あと10kmとか思うと1時間くらいか?と思いがちだが、ウォークなので2時間かかる。
幸い雨は上がり、歩きやすくなったが所々大きな水溜りにはまったりしながら1周目ゴールを目指して歩き続ける。距離表示もほとんどなく、長時間になるためGPSウォッチも稼動してなく、今何キロくらいかわからない。
iphoneのヘルスケアデータが距離や歩数のログを取ってくれているので時々確認した。
結局、エイドだ~!と思ってたどり着いた場所でラーメンをいただいているときに、ココが55kmだよ!と教えてもらい1周目突然終了!(笑)
予定より15分くらい早く到着したことになる。ほとんど長い休憩をしたり、一度も座ったりしなかったのでいいペースで来れたようだ。でも、辛いのはここからの2周目…
糸島110km 2周目 ①1時までは元気
ちょうど23時に2周目をスタートした。よく聞いていたような「2周目行く勇気がない」というのは無縁で、おかわり行ってきまーす!と元気に突入。
同じルートではあるものの暗いので気持ちは切り替えられる。しかしながら、所々に、あ、さっき見たなという看板や建物などが登場してくるが…。
約10kmほどはおしゃべりしながら順調に歩き続ける。昼間きた海辺もガラリと雰囲気を変え、カップルたちの世界もチラホラと。チカチカ点灯バッチをつけたウォーカーがひっきりなしに通るのでお邪魔だったかもしれないが、そんなことどうでもいいのである(笑)
隊長が深夜1時を過ぎると、きつくなると言っていた。行軍などの訓練を経験してきているのでさすがに詳しいし、その言葉の意味をそのあと嫌というほど知ることとなるのである。
糸島110km 2周目 ②幻覚オンパレードTIME
夜中にいただいたお弁当
13時を過ぎると隊長がおとなしくなってきた(笑)
規律の厳しい世界に身を置いているので、時間に身体が反応するんだろうか!?
会話が少なくなると、こちらも大丈夫と思っていたものの徐々に睡魔との闘いになってきた。何しろ前日にほとんど寝ておらず徹夜明けのような状態で参戦しているので、そのツケが一気に襲ってきたようだ。
まず襲ってきたのは、睡魔とともに幻覚。
目のすぐ上に、
虫の大群(よく夏場などに頭の上に飛んでるやつですね)やイワシの群れがずっと回遊している。
今考えるとなんでイワシなのか笑ってしまうが、そのときは水族館や海の中で見るような大群が私の目の上を泳ぎまわっているのだ(笑)
そんな幻覚とともに、足元もふらつきだし、右に行ったり左に行ったり、ガードレールにぶつかったり段差に躓いたりして目が覚める。そしてまた幻覚に襲われるの繰り返し…。
一瞬、目覚めた時に隊長を見てみると、いるはずのない部下に指示を出してる(笑)。お菓子の袋を握りしめて配らんといけんとか、道路にある4本の白いポールを見て、自転車が4台走ってるとか…(笑)
今考えると面白い光景だけど、そのときは笑える余裕はなく、隊長が言ってた「寝ながら歩く」という言葉の意味を身を持って体感していた。
これが4時過ぎくらいまで続き、歩いた記憶がない部分もある。よく田んぼや側溝の川に落ちなかったもんだ…。
結論:休めばいいのにそれすら気付かない(怖)
糸島110m 2周目 ③夜明けとともに元気チャージ
やはり深夜の時間帯は本来心身ともに休息の時間。その時間に動き回っているといろんな異変が起きるんだろう。お互いに幻覚が酷いのでちょっと10分ほど寝ましょう!とエイドで弁当をいただいたあと寝ようとするも寝れず、すぐにリスタート。
その後は幻覚は収まり、84キロ付近のエイドに到着するころには夜明けとともに体内時計がリセットされたのか?正常モードに戻ってきた。
正常モードか?(笑)
しかし、お弁当をいただいた次のエイドで朝食のパン^^;しっかり美味しくいただいた。
が、その後スタートしてすぐにコンビニや飲食店、薬局などが立ち並ぶ通りがあり、買いたくてももう要らんわ~とタイミング悪い(笑)
なんだかままならない気分(笑)
欲しいところには何もないのになぁ。。。
糸島110km 2周目 ④曇りから猛暑のなかゴールへ
朝方も空は曇っている。また雨が降るんじゃないかと不安だが涼しいうちに進もうと脚を止めずに歩き続ける。
明るいと周りの風景も昨日見ているので、なんとなく距離感や時間がわかってしまい、きつい部分もあったが昨日はここでどうだった、こうだったと会話を弾ませながら歩く。
会話がなくなると怖いというトラウマが一夜にして私にインプットされたようだ(笑)
50kmの看板を発見する。
ということは、あと5km?
一気にテンションが上がり、ゴールタイムも思った以上に良くなりそう!てことで隊長とペースアップしながらゴールを目指す。
それからしばらく歩いてきたところにいた交差点誘導のボランティアの方に
「ゴールまであと何キロですか?」と聞くと
「ホントのこと言っていいですか?」との答え。
一瞬嫌な予感が背中を走る…。
「正確に言うとあと5.9kmです」
?
さっきの50km看板から結構歩いてきたぞ!?
増えてるやん(笑)
なんだか意味がよく解らないまま、あの人が勘違いしてるかもしれんという自分をコントロールする為の訳のわからない理屈を自分に押し付ける(笑)
でも、5.9kmがホントだった。あの50km看板が1周目・2周目を明記していないのでおかしいのである。100km以上歩いてきてるんだからそういうのやめましょうよ~と言いたい。
そのころには、すっかりと晴れ上がり猛暑。ゴールまでの距離が増えてしまっても歩くしかないのだ。
もう歩くことに飽きてきていたがラスト、ラスト!と脚を前に出し続ける。
幸い、脚の筋肉痛などもなく体は元気。雷雨で濡れた足がふやけてしまい、そのまま歩き続けたことでふやけたまましわになった部分にマメができていて少し痛い程度。
糸島110km 遂にゴール
遠くに見えていた景色が少しずつ大きく目に写る。ようやく長い長いウォーキングもフィニッシュだ!
隊長と手を繋いでゴールしましょう!と約束していた。
ゴーーーーール!
終わった~!
いや~長かった。
長かった。
ゴールしたらビール飲むと決めてたので、すかさずビールと焼鳥、唐揚げで乾杯♬
このビールは格別に旨かった♬
ゴールには隊長の奥様も駆けつけてくれていたので写真もバッチリ撮っていただいた。ありがとうございます!
達成感・安堵感・もう終わり(笑) 至福の時
しかし、カラダのダメージはマラソンほどきつくなく、翌日である今日の夕方はほぼ大丈夫。もう走れると思う。しかしながら、時間の長さからくる疲労感やメンタルコントロールという面ではウォークのほうがきついと感じる。
多くのランナーが言っていたウルトラマラソン走るほうが楽という意味がよくわかった。
おわりに
今回、やったことないことをやる!第1弾として参戦した糸島三都110キロウォーク。本来、5月に参加する橘湾岸マラニック 173kmの練習と位置づけて長時間動き続けることを目的にエントリーした。
今回約1日近く、カラダを動かし続けるという目標に対してはクリアできて、おかげさまで完歩できたことは素直に嬉しく感じている。
若干の休憩や深夜の幻覚タイムを加味するとほぼ5キロ/1時間ペースかな?
ずっと強いメンタルで引っ張ってくれた隊長にも感謝している。
ありがとうございました!
教室から参加の3名はみんな完歩。知り合いのランナーさんも完歩していたようだ!
今回も約48%の完歩率であり、そんな超ハードな大会を完歩したという自信は確かなものとして、今後の自分のレースや人生においても役立ってくれると期待したい。
そして、毎回のことながら、大会運営に携わっている全ての方々、ボランティアの方々、応援していただいた全ての方々に感謝している。
特に長時間の競技になればなるほど、皆さんの力がエネルギーとなり脚を動かしてくれるパワーは計り知れない。本当にお世話になりました。ありがとうございます。
今度は、糸島の素敵な観光スポットに遊びに行きたいと思っている。
もちろん車で(笑)
コメント
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