前記事の【足が痛い!】その痛みはホンモノ?それともニセモノ?で、脳がウソの指令を出して、走るのを止めさせようとするということを書きました。もう少し考察して、その対処法についても触れておきます!
マラソンがメンタルだという3つの理由
現在は、情報が氾濫しておりランニングやマラソン大会などについてもいろんな説がネット上に溢れています。個人的な見解であることを最初に断った上で、これまでの”説明がつかない状況”を整理してみます。
1.糖質がないと走れない→糖質制限していてもフルマラソン、ウルトラマラソン完走
2.レース中に食糧補給をほとんどしなくても100km完走
3.レース前、レース中に起こった異変や痛みがレース後消える
ざっくり言うと、この3点に集約されるのですが、いずれにしても脳が発するウソの痛みやそれに伴う異変であったことが考えられます。
1.糖質がないと走れない?
結論から言うと走れます。100kmというウルトラディスタンスでも走れました。糖質制限中のレースであり、当然カーボローディングなし、直前には3日間の断食を行ったうえでも走れました。
ある意味、身体の中にあるエネルギーを放出したつもりでしたが、当日のエイドでの補給も最小限しか摂らなくても完走できています(脳のウソ指令で食欲不振なのだと思う)
もし、カーボローディングまでして体内の糖質貯蔵を増やさないと完走できない…というなら何故完走できたか不思議ですね?詳細はここでは割愛しますが、糖質は摂らなくてもある程度貯蔵できていることと、代替エネルギーとして脂肪がフル稼働しているからです。
2.食糧補給しないとガス欠になる?
よく30kmの壁、35kmの壁などと言われて急に体が動かなくなる、足が言うことを利かなくなると言いますよね?これが糖質の枯渇によるエネルギー切れ(ガス欠)なのであれば、その先走ることも動くことも出来ないでしょう。
車に例えると解りやすいのですが、ガソリンやバッテリーが空になってしまうと、いくら元気つけようがみんなで応援しようがピクリとも動かないはずです。
でも、実際にはそこから気持ちを奮い立たせたり、応援に力をもらって走り続けることは普通にありえるのです。根性で…まさにメンタルの作用ですね。
私も昨年の四万十川ウルトラマラソンは、50~75kmくらいまで3で書くような異変に襲われ大幅にペースダウンしましたが、その後75km以降ゴールまでビルドアップしながらゴールするという”離れ技?”を披露しています(笑)
3.レース前、レース中の体の異変が消える?
私の場合、フルマラソンではほとんど異変は起きませんが、ウルトラマラソンを走るとレース中の消化不良、頻繁な尿意(尿はほとんど出ないのに)、レース後1ヶ月近く足の突然の灼熱感(診察するも原因不明・所見なし)に襲われたりしました。
しかし、レース中の症状については何故かレース後には何もなかったかのように消失していたり、レース中にいつの間にか症状が消えたりしているのです。
上の例で言えば、どう考えても強い尿意があるのに出ないなんて異常ですよね?明らかに神経障害などがあってもおかしくないような症状です。というか尿でなかったら危ないですからね…。
でもゴールすると不思議と何もなかったかのように元通りに戻るのです。一時的な異常というとわかりやすいでしょうか?何だったんだ???となるわけです。
脳のウソにだまされないこと
このような“一時的な身体の異変”は、脳による生体制御機能に起因するものと考えられています。つまり、身体を酷使するフルマラソンやウルトラマラソンなどで、エネルギー消耗、電解質異常などの状態を察知した脳が、あの手この手を使って、あなたが走ることを止めさせようとするのです。
その症状が人によっても、足の痛みだったり、代謝異常だったり、食欲不振だったり多岐に渡るのです。前述の30kmの壁、35kmの壁というのも、ちょうど糖質が枯渇しつつあるタイミングのことが多く、脳が運動を止めるよう各組織にウソの指令を出して、運動機能を制御しているということでしょう。
その結果、急に力が走らなくなる、足が重くなるというような症状として出現するのです。
きつくても辛くてもすぐに諦めない
あの手この手で、あなたを止めようとしてきますが、まだ走れる可能性は高いのです。その証拠にそんな状態からでもゴールする人がたくさんいますからね。
脳にだまされてすぐに諦めてレースをリタイアした途端に、「あら、さっきまで痛かった足が痛くない!」なんてことはありえるのです。あなたが脳とのだましあいに負けたということです。
そうなると、まだ走ればよかった…と後悔の念とともにあなたのマラソンは終わってしまいます。そうならないために、諦める前に脳をだまし返す2つの抵抗をしましょう。
脳をだまし返してゴールを目指す
もうしんどい、これ以上は無理だ…と思ったら、次の2つを試してみましょう。それで回復するならまだ走れますし、変わらないならリタイアするときです。もちろん、本当の痛み、疲労というものもありますから、それをジャッジして適正な判断をしないといけません。
1.甘いものを飲む・食べる
スタミナ切れを察知して、脳がウソの指令を出しているならばスポーツドリンクやアンパンなど甘いものを摂ってみましょう。エネルギーが補填できたと脳が判断すれば、脳によるウソの指令が解除されて動けるはずです。
エイドが少ないマラソンでは用意しててもいいですね
2.止めなさいという脳の誘惑を断ち切る
いろんな症状で止めさせようとしているので、あなたから「ちょっと待て!もう少し動ける!」「今まだ頑張ってるからもう少し待ってて!」という感じで、脳に命令してみてください。効果があるかどうかは定かではないですが、効果をあげている人もいます。
限界を超えたその先には…
特に初めてのフルマラソンに挑む方には、未知の領域に身体を置くことでウソ指令は出やすくなると思います。経験を積むごとにウソ指令が出なくなってくる=最初よりラクに走れるという理論も説明がつきますね。
私個人で言うとウルトラマラソンでは、未だに毎回ウソ指令が出てくるのはまだ経験値が足りないのか?時期的に暑くて過酷なことも関係しているのかもしれません。
脳はあなた自身であると同時にサバイバルモードに突入したときには、あなたの敵となってしまうでしょう。身体を守るためなので敵とは言えないですが…。
本当の指令なのかウソの指令なのか見極めて、メンタル対決に負けないようにしましょう。そこを乗り越えていけば、きっと感動のゴールがあなたを待っているはずですよ♪
コメント
[…] 脳が出すウソ信号にだまされないように […]
[…] 以前、脳のいたずら?について記事を書きました。特にウルトラマラソンでは、毎回いろんな症状を発せられて苦労してきましたが、おおよその傾向はわかりましたので今回は脳からの […]
[…] んし、特にウルトラではレース中の補給すら十分にできていないことがほとんどです。理由は…脳から出るウソの信号による食欲不振?ではないかと思っています。判りませんけど…(笑) […]
[…] 参考)https://jogsusu.com/2016/02/19/marathon-mental/ […]
[…] れば、脚の痛みの信号を送ったりして走ることをやめさせようとすることは有名な話だ。ウソの痛みも経験がある方も多いだろう。以前の記事にも書いているので興味があればご確認を。 […]
[…] マラソンは脳で走る!と自分では考えているし、このブログでも何度かそんな記事を書いている。メンタルが後ろ向きになるとパフォーマンスも比例して落ちていくものなのだ。 […]