アナトミートレインとは筋膜の繋がりのことであり、7つのラインによって全身を結んでいる。その中でもランニングに関連が深いと思われるスパイラルラインについて考えてみた。この仕組みを知ることで効率よい身体の使い方が見えてくる。
アナトミートレインとは?
医学的には筋筋膜経線と呼ばれており、簡単に言えば筋肉のつながり=筋膜連鎖ということになる。つまり、筋膜によって全身が繋がっているということだ。
足の筋膜を刺激することで腰や肩こりが良くなったりすることからも連鎖の証明がなされている。また、ライン上の何処かの筋肉が柔軟性を失うと同ラインの別の筋肉にも悪影響が及ぶ可能性があるということだ。
例えば、腰痛が腰の問題ではなく、実は脚が原因だったというケースがあるのも聞いたことがあるのではないだろうか?
ちなみに、身近なところでは鶏肉の皮と肉の間に筋膜が存在しており、皮を剥がすときに同時にちぎれる薄い膜がそれである。
スパイラルラインって?
出典:https://www.nagareru.com/提供セッション/痛くない筋膜リリース/
上述の通り、全身には7つの筋膜ラインが存在している。詳細は割愛するが、その中で主に身体の回旋に作用するのがスパイラルラインであり、スポーツにおいては非常に重要なラインとなる。
特にゴルフやテニスなど身体の回旋運動を伴う競技に力を発揮する。もちろん、ランニングも上半身の回旋により肩甲骨を動かし連動して脚を動かすという原理から考えるとこのラインは重要だ。
写真を見ていただくと身体に巻きつくようにラインが走っており、首から始まり肩甲骨~交差して骨盤~脚~足裏を回って首に戻ってくるのがわかる。
スパイラルラインから考える”腕フラン”の合理性
私のレッスンでは、「腕フラン」と呼ばれるドリルがある。文字通り腕は振らないということであり、そうすることで上下半身の連動と捻りが生まれ、骨盤から脚が動くようになるのだ。
腕の降り方は十人十色でランナーの数だけ個性がある気がする。しっかり肘を引いて腕を前後に大きく振る。これは自論では間違いだと実感しているし、「腕フラン」は私がジョギングインストラクターとして登録している日本ライフタイムスポーツ協会の教えでもある。
スパイラルラインの図を見ても解るとおり、
肩甲骨と骨盤はひとつの筋膜によって繋がっているのだ。
●腕ふりを押さえて拳の位置をキープして走ることで肩甲骨の動きが良くなる
⇓
●上半身の回旋運動がスムーズになり(肩のリズムで走る)
⇓
●骨盤から脚が出るようになる結果ラクに走れるようになる!
と常々指導している。
その根拠となりえるのが、このスパイラルラインの存在だと強く感じている。
筋膜リリースで更に理想のフォームへ?
スパイラルラインは全身を巡るように繋がっている。ということは、このラインの癒着や硬化などを上手にリリース(開放)してあげることで、全体の動きがスムーズになることが容易に想像できる。
まだ何処の動きが悪くて…ということが解るだけの知識はないが、このスパイラルラインを意識した腕ふりと筋膜リリースをうまくコントロール出来ると今以上にラクに走れるようになるのではないか?
ストレッチポールなどもうまく使いながら、今後検討していく課題がひとつ見つかった気がする。
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