何事も基本が大事だというのは周知のことと思うが、こと”走ること”については基本が疎かになっているケースがかなり多いだろう。誰に教わらなくても「とりあえず歩けるし走れてしまう」のがその大きな理由だと思う。
一方で、きちんと基本を習得しなければできない競技も多いはずであり、東京オリンピックで大活躍した柔道や野球を例にとってみよう。
まず、柔道では最初から華々しい背負い投げや大外刈りなんて教えられない。最初は、徹底的に投げられる練習、つまり受け身を叩き込まれるという。きちんと受け身を取れるようになることが基本であり、それ無くして柔道は上達しないし強くもなれないということだろう。
野球も然りで、いきなりジャンピングスローやゲッツーなんて練習しない。まずは、相手の胸元にボールを投げる練習、もっと言えば投げ方やボールの握り方を教えられる。その基本があって、次のプレーに進むことができるしバッティングでも基本は素振りだろう。
しかしながら、走るという行為については我流で何とかなるため、基本を習得する機会が想像以上にないまま過ごしている方が多い。
その結果、いざ走り出したら膝の痛みを筆頭にあちこちが痛みだし、健康向上のために始めたのに整骨院や病院通いになるケースも少なくない。
自らもそうであったが、そのような状況に違和感を覚えて走り方を学びに大阪に通い、ジョギングインストラクターの資格を取得した。当初は、自分自身のためだったが資格を活かしてジョギング教室を始め、今に至っている。
私自身はウルトラランナーであり、長時間走れる持久力とどれだけ走っても故障しない身体が何よりの”ウリ”だ。教室のテーマとしても、「生涯スポーツとして、故障せずにいつまでも走り続けられること」を掲げ実践している。
資格取得の際に協会で学んだメソッドのみならず、YouTubeなどでもいろんなドリルを勉強し取り入れている。
最近では特に「着地が基本」をメインにレッスンを実践しており、その中でサンダルランニングやワラーチ、マンサンダルでのランニング実践者も増えている。
私自身はその更なる検証も兼ねてベアフットランニング(裸足ランニング)を始めてしまっている。
何故、着地!?
故障せずラクに走るための「コツ」はいろいろあるものの、着地をしっかり習得すれば他の身体部位も正しく動くことが現場の経験によって確信できてきたからに他ならない。幸い、故障する方が少ないので一定の目標達成はできているのかなと感じている今日この頃である。
最後に。
あまり知られていないようだが、独特の書体と強烈なメッセージで人々の心を惹きつける相田みつをさんは、書のコンクールで日本一になったこともあるほど字が上手い人だったという。
あの書体を開発しメッセージを書き続けたのは、文字が綺麗すぎると観た人は文字に心を奪われ内容が伝わらない、人の心を緊張させず誰にでも伝えたいことが伝わるように…..いう想いからだという。
基本がしっかり身についているからこそできることであり、そんな想いに触れるとまた改めて観てみたいと思った。
私自身は、相田みつをさんの日めくりカレンダーを使っているので、それを観るたびに基本が大事だということを思い出すように意識したい。
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