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辛い分だけ成長できる!?橘湾岸マラニック173km完走記


過去最高の体重と練習不足を引き下げて初の100kmオーバーとなる橘湾岸マラニックに挑んでみた。予測できたことと予測できなかった収穫があり、最高に辛かったが最高の達成感もあった。そして新しい自分に出逢えたのか?

開き直りの境地へ

以前書いたこちらの記事を読んでいただくと解るとおり、私は練習をしないランナーだと自覚している。

”2017年これまでやったことないことをやってみよう!”企画の中でも、メインレースに位置づけている橘湾岸マラニックでさえ、まともな練習もせず挑んだくらいなのである意味ホンモノだと思う(笑)

もはや言い訳もしないし、全て受け入れた上で出た結果が今の私のありのままの姿であると考えて当日を迎えた。完走できようが出来まいがそれを受け止める覚悟だけはしっかり持っていた。

というとカッコイイが、要するに何にもせずに初の173kmに挑んだらどうなるんだろ?という興味も加わってしまい、相変わらずの成長のなさである。

頑張らないであきらめない!


スタート時は教室ジップTユニ+BROOKSグリセリン

そんな中でも、辛く厳しいレースになることはわかっているので、何か心の拠り所は持っていたい。今回のレースに向けて自分なりに心に決めたことは次の言葉だ。

頑張らないであきらめない!

以前、ランスマの中でとある市民ランナーが言ってた言葉だが、これは的を得ていると思い勝手に使わせていただいている。

ウルトラマラソン、とりわけ今回のような173kmという超ロングな距離になれば、体力もさることながらメンタルの力もなければ完走は難しいだろう。

無理をして頑張るよりも、コツコツとゴールへ向かうことをあきらめない気持ちこそ大事だと理解している。

また、少し解釈を広げてゴールできる可能性がある限りあきらめない!

ということも心に刻み付けてスタートラインに並んだ。

厳しい橘のコースと暑さで心ポキポキ


空の青さが酷暑を予感させる

レース当日は、とても暑くてスタート前から汗ばむほど。今回は初参加なので10時スタートであり、余計に気温の高い時間帯を存分に満喫しそうな予感がしていた。

レース中に一緒になった方から聞いたり、ラン友さんが計測した結果などを総合的に勘案すると、この173kmのコースは累積標高5000~5500メートルほどあるらしい!?

距離も長いので単純に比較はできないが、日本でもアップダウンがきついと有名な野辺山や村岡ダブルフルなどの倍くらいあるので、日本でもトップクラスのアップダウンが厳しいコースだと考えられる。

壱岐もそうだったが長崎県はの街。


スタートして最初のCP(チェックポイント)は夜景で有名な稲佐山山頂 

今回は、本当にそれを思い知らされることになった。また、そのことで長崎のことが感情的に嫌いになるという副作用と、コースを設計した人を殴りたいと衝動に駆られるほど強烈だった(笑)

暑さ・アップダウンの厳しさは、私のつたないウルトラマラソン暦の中ではダントツでトップ。既に殿堂入りレベルだ。

私のマラソン史上最も過酷で辛かったのと距離が長すぎるため、レースの時系列の記述はスポット写真程度に振り返り、今回はメンタルに焦点を合わせた完走記としたい。

もう勘弁して・・・頭をよぎるDNF(リタイア)

 

高低表を見ると解るとおり、とにかく坂、坂、坂。

 

坂というより峠を越えるという表現のほうが適切かもしれない。いちいち坂を登る。とことん登る。その後一気に下りてくる。

下りてきたと思ったら再び峠越え…。一部のフラットな場所以外はその繰り返しで体力的にもメンタル的にもしんどい。

早くも30~40kmで脚の疲労感があり大丈夫かな?と感じていたが、結果的に70kmまでは当初予定していたタイムの30分遅れくらいで走れていた。


45km女神大橋にて

しかし、次から次に現れるアップダウンの連続と、時間の経過による疲労も加わり、更には雨と股擦れが酷くなるにつれ最初に決めた決意に陰りが出てきていた。

 

辛すぎる…。

 

脚はまだ大丈夫だが、股擦れが酷くなってきて70kmの山頂エイドの下りからはあまり走れなくなっていた。この頃より、DNFが頭をチラホラ。

あきらめない!という気持ちと、この辛さから開放されたいという自己の甘えとの葛藤が続いていた。

最高のエイドと仲間との出会い


全てのエイドで評判どおりの美味しい補給が出来た。ありがとうございます。

そんな過酷な状況の中、私を支えてくれていたのはエイドでの温かいおもてなしや美味しい食事、私設エイドの方の笑顔、メッセージや沿道の方の応援、何よりともにこのレースを闘い続ける仲間の存在だ。

その時々に近くにいる方たちといろんな話をしながら、ついていったりペースをキープしてもらいながらなんとか自分の脚を動かし続ける。

多くのラン友さんからも氷をいただいたり、声をかけてもらったり感謝、感謝♬


60km地点では軍艦島が見えた


同じく60km地点では巨大な夫婦岩も。ここでも事務局の知り合いに励まされる

 

その後90kmくらいだろうか?深夜の山の中をそれまでついていってた方についていけなくなり、ボッチで寂しく怖い中歩いたり走ったりしながら進んでいる時、その出逢いは訪れた。

 

Konちゃんとの出逢いだ。

夜中に出逢ったので明るくなってしばらくしてパシャリ

 

私もテクテク歩いているときに、辛そうに歩いている姿に遭遇し、思わず声をかけたのがご縁の始まりだった。以後、ゴールまで90kmくらい?ずっと一緒に励ましあった。

彼は、同大会を過去6回完走しているランナーだが、今回は夜に降った雨のせいもあり、足裏にマメが多発してしまい走れない状態に陥っていた。

私は、ワセリンの塗り忘れという凡ミスにより股擦れがこれまでに経験したことないくらい酷く痛みで同じく走れない状態だった。

キズもの同士一緒に行きましょう!と心強い相棒誕生だ。

自分を超えた瞬間① あきらめない


暑いっ、アイスクリームは3回くらい食べたかな!?

 

その後も、過酷過ぎるコースや眠気と闘いながら少しずつでも進む。仮眠しようと思っていたものその時間的余裕はないことを直感していた。


あんな坂や…

 


こんな看板の立つ坂や…


常にこんな感じで海を見下ろすロケーション。何回も繰り返されると感動はなく飽きるw

 

やがて115kmの茂木エイドが近づいてくる。ここは荷物をドロップアウトしていること、休憩・シャワー施設などがあること、帰りの交通手段が豊富なことから、DNFするには最適の場所でもあったのだ。

私もこの時点でかなりの疲労があり、リタイアを真剣に考えていた。これまでのマラソン最長距離が103kmであり、既に自己最長距離はクリアできるし、ここからまだ60kmも走るということが受け入れられない気持ちがあったのだ。

一方、Konちゃんも同じように考えていたらしく、予定より早く帰るので家の鍵が空いているか心配していた(笑)

そんなつもりで2人でテクテク歩きながら115kmに到着。

食事を補給したあと、帰り支度をしようと入った建物の中で少し1人になって考えた。

ここでDNFするべきだろうか?するなら今がベストだ。

 

自分の心の中が激しく揺れ動く。

 

自分からレースを放棄するのはやめよう!最初に決意したとおり、あきらめない、ゴールできる可能性がゼロではない!のであれば、行けるところまで行こうと思い直した。

あきらめない暗示をかけて自分をコントロールすることに成功した。

トップスとソックス、シューズをこれまでのネガティブな気持ちともに脱ぎ捨て着替えをした。そしてKonちゃんのところに行くと彼はまだ少し迷いがあったようだ。

とりあえず行きましょう!と声をかけ再び2人でエイドを後に歩き始める。

自分を超えた瞬間② 関門ファイターとなる


ホントだったら下りでタイムを調整したいとこだが走れない。下りのほうが脚への負担は大きいのだ。

 

そんなこんなでレースを続けることを決めたものの、マメや股擦れの痛みが消えるわけではない。

厳しい登りは最初から歩いている。数少ないフラットや下りで走ることでタイム的にも帳尻が合っている部分はあったはず。それが下りも走れないとなると一気にタイムロスが増えていく。


眼前に海を見下ろす高台にある延々続くジャガイモ畑。この景色が3kmくらい続いたのかな?

 

そんな状況でもひたすら休憩を取らずに進み続けていたが、157km地点の関門が危ういことに気付く。当初は歩いても間に合うと予測していたものの、行けども行けどもエイドがないのである。

結局、不安に駆られながら痛いといってる場合ではなくなり走り始める。

ここまできて、そんな寸止めを食らわされるのは後悔が半端ないだろう。視界にエイドの姿を捉えた時に腕時計を見ると関門まであと1分くらいしかないっ!

私の後ろにいたkonちゃんが「あ~もう間に合わない…!」とつぶやいた。

とっさに、「間に合わんことないっ!行こう!」と大きな声を出して猛然とダッシュした。

もう痛いとかそんなの関係ないのだ。火事場の馬鹿力は確かに存在する。

何とか死に物狂いのダッシュの甲斐あって関門クリア。konチャンも力を振り絞り付いてきて関門クリア!

がしかし、ここをクリアしても次の関門がかなり厳しいことは2人で理解していた。言ってることがコロコロ変わるが、ここまでくると関門で収容はなのだ。

どうせDNFするなら、関門クリアしてから自分で決めるという変な意地というかプライドがあった。私はそんな気持ちが強く思い切りダッシュしたので、もはやここまでかな?と正直気持ちが切れてあきらめていた。

すると、給水してすぐに「行きましょう!」とKonちゃんの声(驚!)

Konちゃんが次を目指そうと言っている。彼は既にゴールまで命運をともにするパートナーである。彼が行くと言うならば行くしかない。

さっきまであった弱気はその姿を隠し、行くならここからはゆっくりでも走らないと間に合わないと2人で次の関門をクリアするための確認と約束をした。

ここまできたら絶対にゴールまで行こう。這ってでも行こう!

間に合うのか?最終関門へ勝負の走り!


暑かったり雨降ったり…コースのみならず気象条件も味方してくれない

157kmの関門をクリアした安堵感に浸る間もなく、次の関門へ向けて2人で走り始めた。Konちゃんの足も私の股間も痛くてたまらなかったけど、止まっているわけにはいかないのだ。

すぐにリスタート、ゆっくりゆっくりジョグのペースで進む。途中、厳しい時は声を掛け合って歩こうという取り決めもしていた。

これまで走れなかったのに、スイッチが入ると人間変わるもんだと感心した。このときには明確にゴールするという強い気持ちが脚を動かし、心を前に前に向けてくれたのだと思う。

途中、エイドの方の励ましや覚醒ビールの差し入れ?もあり、少し余裕残しで何とか関門閉鎖5分前くらいに最終関門を通過した。

最終関門をクリアすれば、後は時間がかかってもゴールまで行けば完走というシステムになっているのだ。

やったー!という思いとともにKonちゃんに握手を求めた。彼はまだゴールじゃないと言ったけど、とりあえずゴールできる権利を獲得したことで強く握手した。

自分を超えた瞬間③ 新しい自分との出逢い


この7つのCP(チェックポイント)でパンチするために一睡もせずここまできた

 

それから、事務局スタッフの方やボランティアの方と談笑しながら用意されていたぜんざいや飲み物などをいただいた。

Konちゃんが行きましょうか?というので、これからの峠越えに備えちょっと待ってと公民館のトイレに入った。

残り10kmは歩いてゴールでも大丈夫だ。改めてそう思った瞬間、張りつめていた気持ちが緩んだのか?涙が止め処もなく溢れてきた。

長かった

辛かった

痛かった

でも

あきらめなくてよかった。

 

115kmと157kmの2つのタイミングでかなり真剣にDNFを考えていた。1人だったら115kmでやめていた可能性は高い。

Konちゃんと2人で10数時間もの間、励ましあいながら結果的にあきらめることなくここにたどり着いたこと。

これまでだったら、あきらめていたであろう自分がまだレースを続けていること。

 

いろんな想いがある。

 

支えてくれる人への想い、過去の弱い自分を超えたいという想い、ここでDNFしてもう一度ゼロからチャレンジするくらいならぶっ倒れてでも今日ケリをつけたい!という想い…。

 

どんなに辛くてもゴールへ向かうことをあきらめなかった自分がいまここにいる。

レースを始める前には知らなかった強くなった自分に出会った瞬間だった。

長い長い旅路のゴールへ

最終関門までにかなりのパワーを使ったせいか?抜け殻のように一気にペースダウンしたウォーキングで残り10kmをウォーキングする。

走れる脚は残っているものの、ここまでのダッシュや無理がたたり股擦れの痛みがたまらない。人目もはばからず股間に手を突っ込んでワセリンを塗りまくるもとき既に遅し。

出来てからではあまり効果もないのだ。何で塗り忘れたんだろう?人生で最長距離に挑むというのに。

また、用意したものの使わないものが多く、無駄にリュックの重量を重くしてしまったり、とにかく反省が多い。


これ以外にもいろいろ持っていたが空けることもなく…

しかしながら、あと7km、あと5km、あと3kmと少しずつ確実に残りの距離は減っていく。そして、いよいよゴールが近づいてきた。

やっと開放される!という想いとともに、これまでに感じたことのないほどの達成感、そして、あきらめずにレースを完走できたという喜び。

全ての想いを抱きしめて、そして長い時間ともに闘ってきたKonちゃんの手をとり手繋ぎゴール!

 

終わった

長かった

きつかった

 

再びガッシリと握手してお互いの検討を称えあいKonちゃんに御礼を言った。

 

1人だったらダメになってた。ありがとう!

 

Konチャンは私よりひとつ年下だけど物凄く頼りになるナイスガイだ。この出会いにも感謝せずにいられない。彼がいたからゴールまで来れたといっても過言ではない。本当にありがとう!

 

おわりに


長時間に渡りサポートしてくれた素晴らしいエイド体制に感謝!

 


GPSログはとっていないがiphoneの歩数計によると2日間で約24万歩!

 

橘湾岸マラニック 173kmは想像以上に過酷なレースとなった。

しかし、ランナーも大変なら運営サイドも大変なはず。

レースを運営して下さった事務局のみなさま、美味しい食事で私たちのおなかをサポートしてくれたり、大きな声で声援を送ってくれたボランティアスタッフの皆様方。

そして、声をかけて下さった沿道の皆様、道中いろいろと教えていただいたりお話をしてくださったランナーの皆様、メールやSNSなどで応援して下さった全ての方に感謝しています。

 

本当にありがとうございました。

 

そしてお世話になりました。

 

また参加することがあるかどうか分からないほど過酷なレースだったけど、体は2日で完全回復しましたし、翌日夜には少しだけ走れました。

自分でも意外とタフだなと思って止みません(笑)

丈夫なカラダでこんなチャレンジを続けることが出来る環境があることに感謝しつつ、実生活でも今回のあきらめずに物事に取組む姿勢が身につくようますます努力していこうと思っています!

前代未聞の辛さと引き換えに大切なことを学ぶことの出来た大会だったので、

結局素晴らしい!

という結論で♬

 

PS:あ、それから今回出会ったkonちゃん!
最後に写真など送るからと交換したメアド…。エラー出て届かないよ~(笑)事務局に知り合いの方もいるのでどうにかして連絡取りますね。これみたらコメント下さい(笑)

 

 

 

 

コメント

  1. […] 辛い分だけ成長できる!?橘湾岸マラニック173km完走記 […]

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  6. […] ウルトラマラソンは昨年173kmを完踏、今年は217kmにチャレンジする。仮装ランもやるならとことん、誰もやってないようなコスプレをやりきりたい。 […]

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