これまで100kmのウルトラマラソンを6回、今年に入り糸島110kmウォークと橘湾岸マラニック173kmを完踏した。これまでの経験の中でおぼろげながらわかってきたこととは?
ウルトラマラソンに挑戦する目的とは?
人それぞれに走る目的はあるはず。私はフルマラソンのサブ4をクリアした時点で、タイムへの執着がなくなりトレランやウルトラの世界にそのフィールドを変えた。
現在は、ウルトラマラソンをメインのフィールドとしてレースに参戦、フルマラソンでは仮装ランというのが私流のスタイルである。
なぜ100kmやそれ以上の距離を走ろうと思うのか?
単純に自分が何処までやれるのか?その可能性を確認したいだけである。
もっとかっこよく言えば、自分の限界を超えたときにもう1人の自分に会うことができる。そのワクワク感に魅了されているといっても過言ではないだろう。
走ってるときはそんなこと考える余裕もなく、二度とやらないと思っているが(笑)
ウルトラマラソン完走に必要なもの
もちろんシューズなどのグッズも大事だけど…
私自身は、練習で45kmしか走ったことないときに初のウルトラである四万十川ウルトラマラソン 100kmに挑戦して完走した。
その後、しまなみ海道100kmウルトラ遠足を帰り時間の関係で80kmDNFした以外は全て完走している。では、練習をしっかりやっているのか?というとやっていない。
週末の60km走などドカ走りだけをこなしているのが現状である。もちろん、ロングディスタンスに耐えうる脚をつくることは大事なことだが、それ以上に絶対に完走する、あきらめないという強い心を持つことが何より優先して必要だと感じている。
メンタルでウルトラは走りきる!?
最初のウルトラは45kmから一気に100kmに挑戦、つまり約2.2倍の距離を走った。今回の橘に至っては、103kmから一気に173kmと約1.68倍の距離を走りきったことになる。
単純な倍率の数字よりも、100kmを超えてからの1.68倍…。これはすごいことだと思う。橘湾岸の最高距離である273kmは、このレース終了後にもう1回100kmレースに出るようなもの。
恐ろしくて頭が回転しない(笑)
しかし、この距離が何キロであれ、ある程度はメンタルの力でいけるのではないかと考えている。もちろん、脚筋力の限界などその他のファクターも存在するので一概には言えないが。
つまり、自己最長走破距離を限界と捉えるのか?通過点と捉えるのかによって、脳から出てくるカラダを動かす指令に大きな影響があるのではないかと思う。
脳とマラソンとの関係って?
ウルトラ完走に「思い込み」の力は必要なのである。これは何もウルトラに限らず10kmでもハーフでもフルでも同じことが言えそうな気がする。
私たちはスイッチを入れたら電池やバッテリーで動く玩具ではなく、脳からの指令によりカラダの各部に指令を送り、その指令に従ってカラダを動かす生き物である。
そのため、脳がもう限界だ、もうこれ以上は無理だという判断をすれば、脚の痛みの信号を送ったりして走ることをやめさせようとすることは有名な話だ。ウソの痛みも経験がある方も多いだろう。以前の記事にも書いているので興味があればご確認を。
つまり、脳を上手にだますことが出来るのであれば、私たちのリミッターは自分が思っている以上先に存在しており、思いもよらないポテンシャルを秘めているのだということも出来るだろう。
今回の橘湾岸マラニックでも、過去最高距離の103kmは意識せず、115kmのエイドをコース3分の2の通過点と考えてスタートした。
ちょっとした考え方の違いに過ぎないが、それがもたらす効果は大きなものだと感じている。
レース中の補給について
リュックに入れていたものの重りと化したものたちの一部…
私はどんなレースでもカーボローディングは行わない派だ。必要ないと思っているのとそれが必要なほどの走りをしないからというのがその理由だ。
それよりもレース中のコンディション維持には気を使っている。いろんなサプリを持って走ったりするが、実際には使わないものも多い。
各大会のエイド体制にも大きく左右されるが、私の場合、基本的には
●アミノバイタルなどでBCAAの摂取
●塩熱サプリの摂取で電解質バランスキープ
この2つがしっかり出来ていれば良さそうだ。
あとは、事前にエイドの内容をチェックして自分に必要と考えられるサプリやジェルを持参すればいいと思う。
無駄なものは持って走るだけ、その重量分エネルギーロスに繋がると肝に銘じよう。
身体のリカバリーについて
どんな距離であれ、初のレース後はカラダが強張るものの、回数を重ねていくことでその程度は一般的にどんどん軽くなる。
ウルトラでもやはり初100kmの時が一番ダメージが大きく、回数を重ねることでいまや翌日に軽く走れるほどになっている。人間の持つ「慣れ」の力はすごいと思う。
一度、経験することで脳にこの距離は走れる、このくらいの時間動き続けることが出来るという情報がインプットされるので余裕が生まれるのであろう。
何でも初めてのときは、脳が準備出来ておらず未知の経験が続くことでビックリしてしまうのではないかと思う。今回173km完踏後も、初距離でありゴール後温泉に入るところから、車で帰宅中、途中で車から降りるところ、家について翌日の朝までは相当に酷かった。
積極的にアクティブレストを行って、丸2日で筋肉痛や強張りから開放され、思った以上に自分のカラダがタフだと感じた。
ウルトラ参戦における必須装備、準備について
内服+ゲルも役立つ
あくまでも個人的な見解ではあるが
●サプリ類
アミノバイタル(BCAAの摂取、筋疲労の軽減)
塩熱サプリ(電解質バランスキープ)
●薬類
ロキソニン(筋肉痛の軽減)
胃薬(胃腸トラブルの回避)
ワセリン(股ズレの防止)
芍薬甘草湯(けいれんの時)
●ヘッドライト・ペンライト
夜間走行に必須、換えの電池も用意
●雨具
とにかく天候の変動も激しく、だいたい雨が降る。私はリュックしたままでも使いやすいポンチョを愛用している
●その他
応急処置用具、ガムテープ(シューズトラブルやリュックやウェアの破れなど役立つ)、現金など
まとめ
ウルトラディスタンスを走るためには、相応の練習も必要だがあまり練習してない私がなんとかかんとか走れているのは何故だろう?という素朴な疑問から自分なりに整理をしてみた。
やはり大前提として、ウルトラ参加経験やそれなりの距離を走る練習は必要だと思うが、それだけでは走れない側面もあることは確かだろう。
●絶対にゴールする
●この距離は通過点である
というような自分を暗示にかけて脳を上手にコントロールすること。そして、自らの持つポテンシャルを引き出す、潜在能力を引き出すことも同じくらい大切だと感じている。
日常生活から自分で限界を作らない、リミッターを外す訓練が必要だろう。
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